「ヘキサとペンタ」 〜理不尽〜



ため息が漂う場所。自販機前。
今日もひとりうなだれてすわってると、やっぱりここの常連、ゆうくんがやってきて、
隣にすわった。

「ハァ・・・つっかれたー!!」
肩を落とすゆうくん。今日も眠そうな目だね。

「髪の色かえた?」
「タモさんかよ?!」

たずねるのが遅すぎる私。色かえてから、どんだけ日にち経ってんだ?

「いい感じの色だよね」
「そ?」
「そのブルーのジャージもね」
「ジャージじゃねーってば!!」
「え、違うの?」

たわいもない会話をしながら、缶コーヒーをぱかっと開ける。

「世の中、理不尽だよね・・・」
「え?リムジン?」
「り・ふ・じ・ん!!」
「イマジン?ヒマ人?」
「ゆうくん、わざと言ってるでしょ?」
「バレた??」
「リムジン、乗ったことないなぁ・・・」
「ねーなぁ」
「あれ?ゆうくん、リムジン運転したことなかった?」
「なんで?オレが?んなわけないでしょ?」
「どっかで見たような気がすんだけど・・・」
「気のせい気のせい!!」
「気のせいかなぁ・・・」
「ないないない!!」
「・・・だよねぇ?」

(運転手のバイトしてんのバレてるよー!!)ってこそっとゆうくんが言ったことは、
聴こえなかったことにしておこう。(^_^;)

「なんかさぁ、私、またヘマしてさぁ・・・。つくづくやんなる」
「オレなんかしょちゅうじゃん。もぉしわけございません!!このとーり!!って、
 何度頭下げてるか・・・」
「ゆうくん、えらいね。強いね」
「んでも、くっそー!!って思ってる。こん次は負けねーぞ!!って」
「うんうん」

ひまわりみたいなとこ、くしゃっと笑ったとこ、見てると元気出る。

「あーあ、叫びたいなぁ、仕事やめたーーーーい!!って」
「そんなこと言っちゃダメでしょ!貧乏太郎になっちゃうよ!!」
「貧乏太郎?」
「あ、仕事大事でしょ!ってこと!!」

時々、先生のようになる、不思議な人、ゆうくん。

「そうだね、お仕事頑張らなきゃね」
「そ!」

「ゆうせんぱーーーーい!!」
先日、海外出張から帰ってきたばかりの、程久保くんが走ってきた。

「課長呼んでますけどー?」
「課長?」
「つる先輩は、とっくにつかまってます・・・」
「げっ!!やべー、行かなきゃ!!」
「あ、みさきさん、こんにちは♪」
「みさきさんこんにちは、じゃねーよ!!ドックもだろ?!」
「あ、そっか(^_^;)」
「じゃ!!がんばんべ!!」
「みさきさん、またー♪」

いいなぁ、あの二人。見てると楽しい。(^^ゞ

缶コーヒーを飲み干した。

さて、私もがんばんべ。





勝手にすぺしゃるさんくす : 雄&直