| 「こころのかがみ」 あるところに、いつもけんかばかりしている5人きょうだいがすんでいました。 1ばん上はしげる、2ばんめはたつや、3ばんめはたいち、4ばんめはまさひろ、 5ばんめはともや。 しげるは おとなしくて、けんかをしても口をきかず しらんぷり。 たつやは 力がつよくて、すぐに みんなをなげとばしてしまいます。 たいちは じぶんのおもちゃをひとりじめして、だれにもかしてあげません。 まさひろは おしゃべりすぎで、いつもさわいで みんなのはなしをききません。 ともやは なきむしで、けんかになると わんわんないてしまいます。 ある日、おとなりに かわいいおんなのこがひっこしてきました。 なまえは はなちゃん。 5人きょうだいは かわいいはなちゃんとあそびたくて、またけんかに なりました。 しげるは 「どうしたら はなちゃんがぼくとだけあそんでくれるかな?」 とひとりでかんがえて、けんかをとめようとしませんでした。 たつやは 「ぼくとあそぶんだ!」といつものように みんなをなげとばしました。 たいちは 「ぼくのおもちゃ はなちゃんにだけかしてあげるんだ!」とおもちゃを ふりまわして、みんなをたたきました。 まさひろは 「ぼくのはなちゃんとはなしちゃだめ!」とおおきなこえで さわぎました。 ともやは また、わんわんないていました。 「はなちゃん、ぼくとあそんでください!」 めずらしく5人きょうだいが 口をそろえていいました。 すると、はなちゃんは 「じゃあ、わたしに なにを くれる?」とききました。 しげるは だいすきなえほんをもってきました。 たつやは かっているあおむし たいちは たいせつなおもちゃ まさひろは つんできたきれいなおはな ともやは ・・・ もってくることができずにないていました。 でも、はなちゃんは まだ あそんでくれません。 「もっともっと ほしいものがあるの。」といいました。 しげるは 「だいすきなえほんを ぜんぶあげる!」といいました。 たつやは 「うでずもうをおしえてあげる!」 たいちは 「ぼくのおもちゃ ぜんぶあげる!」 まさひろは 「おもしろいおはなしを たくさんきかせてあげる!」 ともやは 「・・・・・」 また、ないていました。 でも、はなちゃんは まだ あそんでくれません。 そして、5人きょうだいに 1つずつ ちいさなはこを そっとわたしました。 5人が「なんだろう?」とはこをのぞきこむと、なかにはかがみがはいっていて、 じぶんのかおがうつっていました かがみのなかのしげるは さびしそうでした。 かがみのなかのたつやは おこりんぼでした。 かがみのなかのたいちは いじわるそうでした。 かがみのなかのまさひろは つまらなそうでした。 かがみのなかのともやは かなしそうでした。 すると、どうでしょう?かがみをみているうちに しげるは だれかと おはなししたくなり たつやは だれかと てをつなぎたくなり たいちは だれかに やさしくしたくなり まさひろは だれかのおはなしを きいてあげたくなり ともやは だれかに わらったかおを みせたくなりました。 「わたしは みんながなかよくしているのが すき。 たのしいおんがくをききたい。すてきなおうたをききたい。 きかせてくれたら、あそんであげる!」 5人きょうだいは いっしょうけんめいがっきのれんしゅうをしました。 おうたのれんしゅうをしました。 やっとじょうずになった! おとなりのはなちゃんのいえに いこうと とびだすと もう、そこには はなちゃんのいえは ありませんでした。 「いつか あそぼうね。」そらから はなちゃんのこえだけがきこえてきました。 大きくなって おにいさんになった5人きょうだいは がっきをひいて おうたをうたっています。 しげるは おもしろいおはなしを みんなにするようになりました。 たつやは げんきなところをみせて みんなをはげますようになりました。 たいちは みんなにやさしくなりました。 まさひろは みんなのおはなしを よくきいて、みんながたのしくなるように おどりをおどってあげました。 ともやは もうないたりせずに わらって、みんなに すてきなおうたを うたってあげました。 「また あそぼうねー!」とたいちがいうと 「あそぼうねー!」と どこかで5人をみていた はなちゃんが うれしそうに こたえました。 はなちゃんは みんなのこころのなかにいる 天使だったのです。 きっと、あなたのこころのなかにも います。 5人きょうだいを やさしくみつめている人の こころのなかに きっと・・・。 |